第57章 君だけのギタリスト

「みんな、何の話してるの?」

山口咲良が最後に廊下へ出てきて、ドア前に集まっている四人を見回し、首をかしげた。

「学校一の美人投票のこと」田中未菜が答える。

「へえ」

咲良は短く相槌を打ったあと、ふいに視線を階下へ落とした。

「未菜、旭が呼んでるよ」

「え?」

未菜も手すりに寄り、下をのぞき込む。

案の定、寮の前に月島旭が立っていた。背が高く、がっしりした体格。流行りの服をさらっと着こなしている。

彼は未菜を見つけると、眉を軽く上げた。次の瞬間、屈託のない笑みがぱっと弾ける。陽の匂いのする笑顔。ずるいくらいに格好いい。

「じゃ、先行くね。あとで教室で」

未菜はみんなに手...

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